こんにちは、キッチンのりちゃんです。委託給食会社で調理と事務をやって16年になります。
事務の仕事の中に、新しく入る人の受け入れがあります。担当している事業所は20か所前後あるので、入社する人は毎月のようにいます。そのたびに、初日に渡すものを封筒にまとめて準備します。
以前、辞めるとき・入るときの書類の記事では「入社する人が会社に出す書類」を書きました。今回はその反対で、入社初日に会社から渡されるものを、封筒の中身を1つずつ開ける形でまとめます。渡す側が「ここだけは見てほしい」と思っているところも一緒に書きます。
※会社によって渡すものや様式は違います。この記事の内容は架空の一例です。会社名・施設名は伏せています。
この記事でわかること
- 入社初日に渡される封筒の中身7つ
- 雇用契約書や就業規則のどこを読めばいいか
- 渡す側が初日に見ている3つのこと
初日の封筒に入っている7つ
- ①雇用契約書・労働条件通知書
- ②就業規則の場所の案内
- ③制服一式と名札
- ④検便の容器と提出日のメモ
- ⑤勤怠の打刻カード(または打刻の番号)
- ⑥衛生マニュアルと毎朝の健康チェック表
- ⑦緊急連絡先と「休むときの連絡先」
このほかに、給与の振込口座やマイナンバーの提出をお願いする用紙が入っていることもあります。提出する側の話は前の記事に書いたので、ここでは「受け取るもの」に絞ります。
①雇用契約書・労働条件通知書:ここだけは読む
一番大事な1枚です。会社は、働く条件を書面で明示することが法律で決められています。全部を読むのは大変なので、初日に最低限見てほしいのは次の5か所です。
- 就業場所と業務の内容……どの事業所で、何の仕事をするか。2024年4月からは、雇い入れ直後の場所と業務だけでなく、「変更の範囲」も書くことになりました。委託給食は異動がある業態なので、ここに「会社の定める事業所」のように書かれていることが多いです。異動の話は事業所異動の記事にまとめています
- 契約期間……期間の定めがあるかどうか。パートの方は更新の有無や更新の基準も確認します
- 始業・終業の時刻と休憩・休日……早番・遅番がある現場では、シフトのパターンが書いてあるか、別紙になっているかを見ます
- 賃金……時給か月給か、手当の種類、締め日と支払日。最初の給料がいつ入るかは、ここで分かります
- 退職に関すること……辞めるときに何日前までに申し出るか
渡す側として一番お願いしたいのは、サインをしたら控えを必ず持ち帰ることです。あとで「時給はいくらでしたっけ」「休憩は何分でしたっけ」となったときに、手元に控えがあれば自分で確かめられます。給料の中身は給与明細の見方の記事で、契約書と見比べると分かりやすくなります。
②就業規則:全部読まなくていいが、場所は知っておく
就業規則は、会社のルールブックです。法律で、会社は就業規則を働く人に知らせる(周知する)ことが決められていて、方法は「作業場の見やすい場所に掲示するか備え付ける」「書面を渡す」「パソコンなどでいつでも見られるようにする」のどれかです。
厚い冊子を初日に全部読む必要はありません。ただ、どこにあるかだけは初日に聞いておいてください。休暇の取り方、遅刻や欠勤の連絡方法、副業の扱いなど、あとで「知らなかった」となりやすいことが書いてあります。
③制服一式と名札:サイズは遠慮しない
白衣(上着)、帽子(三角巾やキャップ)、エプロン、厨房用の靴(長靴や滑りにくい靴)。会社によってはズボンや腕カバーも入ります。そして胸につける名札です。
- サイズ……合わないと感じたら、その日のうちに言ってください。大きすぎる白衣は袖が器具に引っかかり、小さすぎると動きにくい。厨房の靴は特に、合わないと足や腰に響きます
- 枚数と交換……厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルでは、帽子と外衣は毎日専用で清潔なものに交換することになっています。何枚支給されて、洗濯は会社でするのか、自宅でするのか、クリーニングに出すのかを確認します
- 着たまま出ない……トイレには白衣・帽子・厨房の靴のまま入らない、というルールもマニュアルにあります。更衣室の場所と一緒に覚えます
身だしなみの細かいルールは身だしなみの記事にまとめています。
④検便の容器:提出日だけは絶対に守る
給食の仕事では、調理に関わる人は月に1回以上の検便を受けます。検査には腸管出血性大腸菌の検査が含まれ、10月から3月にはノロウイルスの検査も月1回以上か必要に応じて行うよう求められています。
初日に渡すのは、次回分の容器と、提出日を書いたメモです。検便は提出日を過ぎると検査会社に出せず、1か月空いてしまうことがあります。容器をもらったら、その場で手帳かスマホに提出日を入れる。これが一番確実です。検便の意味は検便・健康管理の記事に書いています。
⑤打刻カード:初日にルールを1回聞く
出勤と退勤を記録するカードか、打刻用の番号です。事務の立場から言うと、給与計算で一番手間がかかるのは打刻漏れです。初日に次の3つを聞いておくと、あとで困りません。
- 打刻するのは、着替えの前か後か(会社のルールで決まっています)
- 打刻を忘れたときは、誰に、どうやって申請するか
- シフトより早く来た・遅く残ったときの扱い
現場ごとにルールが少しずつ違うこともあるので、「前の職場ではこうだった」ではなく、今の職場で一度確認するのが確実です。
⑥衛生マニュアルと健康チェック表
事業所の衛生マニュアルと、毎朝記入する健康チェック表です。下痢・嘔吐・発熱がないか、手に傷がないか、家族に体調を崩している人がいないかなどを、作業の前に記録します。
衛生マニュアルは、初日に全部覚える必要はありません。最初の1週間は先輩と一緒に動きながら、1つずつ覚えていきます。ただ、健康チェック表だけは初日の朝から書きます。記録の書き方は衛生記録の書き方の記事に、何を覚えればいいかは新人が覚える10のことの記事にまとめています。
⑦緊急連絡先と「休むときの連絡先」
最後の1枚は、連絡先の一覧です。事業所の電話番号、責任者の連絡先、そして体調が悪くて休むときに、何時までに誰に連絡するか。早番がある現場では、朝5時台に連絡がつく相手が決まっていることもあります。
給食の現場では、下痢や嘔吐があるときは調理に入れません。休むのは迷惑ではなく、ルールを守ることです。その基準は休む基準の記事に書いています。連絡先は、スマホに登録して帰ってください。
渡す側が初日に見ている3つ
- 分からないところを質問してくれるか……契約書の中で分からない言葉があっても、その場で聞いてもらえれば説明できます。持ち帰って自己判断されるのが一番困ります
- 控えを持ち帰ったか……数か月後に「条件が違う」と言われたとき、控えがないと双方で確かめられません
- 連絡がつくか……登録した電話番号やメールが、実際につながるか。検便の結果や急なシフト変更の連絡で使います
初日に全部を理解できる人はいません。渡す側もそれは分かっています。大事なのは、あとで確かめられる状態にして帰ることです。
まとめ
- 初日の封筒は契約書・就業規則の場所・制服と名札・検便の容器・打刻カード・衛生マニュアルと健康チェック表・連絡先の7つが基本
- 契約書は就業場所と変更の範囲・契約期間・時間と休日・賃金・退職の5か所を読む。控えは必ず持ち帰る
- 制服のサイズは遠慮せず言う。帽子と外衣は毎日清潔なものに
- 検便は提出日をその場で手帳に。打刻のルールは初日に1回聞く
- 休むときの連絡先はスマホに登録して帰る
入社初日は、覚えることより「どこに何があるか」を知る日です。封筒の中身を1つずつ確かめて、分からないことをその日のうちに聞いておけば、2日目からはずっと楽になります。これから給食の仕事を始める方の、最初の1日の参考になればうれしいです。


