給食会社を辞めるとき・入るときの書類|事務担当が本当に困る5つと退職〜入社の手続き

給食会社を辞めるとき・入るときの書類|キッチンのりちゃん 年収・キャリア

こんにちは、キッチンのりちゃんです。委託給食会社で調理と事務をやって16年になります。

私の事務仕事の中に、社員やパートさんの入社・退職の書類を扱う仕事があります。厨房で一緒に働いていた人が辞めるとき、新しい人が入ってくるとき、その人の書類が私の机に来ます。

この立場で16年見てきて、はっきり言えることがあります。書類のつまずきで、給料が止まったり、保険が切れたり、初日から厨房に入れなかったりする人が、毎年必ずいるということです。本人に悪気はありません。誰も教えてくれないだけです。

今日は、給食会社を辞めるときと入るときの書類と手続きを、受け取る側の事務担当の目線で書きます。転職を考えている人はもちろん、「そのうち辞めるかも」という人も、これだけ知っておけば損をしません。

※事例は複数の経験をもとにした架空の一例です。手続きの期限や制度は執筆時点の一般的な内容で、会社の就業規則や自治体によって異なります。

なぜ事務担当がこの記事を書くのか

調理の現場の人は、書類が苦手な人が多いです。私もそうでした。手は動くのに、紙を前にすると固まる。だから「あとで書きます」と言ったまま、書類が3週間戻ってこないことがよくあります。

ただ、給料は書類で動きます。口座の記入がなければ振り込めませんし、雇用保険の番号がなければ加入手続きが進みません。事務担当は本人を責めたいわけではなく、「これが無いと、あなたが困る」と分かっているから催促します。この記事は、その催促を先回りするためのものです。

辞めるとき:申し出から退職後までの流れ

1. 申し出は「日付を決めて」伝える

法律上は、期間の定めのない雇用なら申し出から2週間で退職できます(民法627条)。ただ、多くの会社の就業規則には「1か月前まで」といった規定があり、実務ではこちらに合わせるのが円満です。

給食の現場で起きやすいのが、「代わりの人が見つかるまで待って」という引き止めです。人手不足なので気持ちは分かりますが、これに応じると退職日がずるずる延びます。「○月○日で退職します」と日付を先に決めて、口頭だけでなく退職届として文書で出す。これが自分を守ります。辞めるかどうかを迷っている段階なら、辞めたいときの記事を先に読んでください。

2. 退職日は「月末」か「月末の前日」かで保険料が変わる

細かい話ですが、事務担当としては必ず伝えたいところです。社会保険の資格を失うのは退職日の翌日で、その月の保険料がかかるかどうかは、退職日が月末かどうかで変わります。どちらが得かは、次の会社にすぐ入るのか、間が空くのかで違います。退職日を決める前に、事務担当に一言聞いてください。それだけで数万円の差が出ることがあります。

3. 返すもの・もらうもの

  • 返すもの……健康保険証(または資格確認書)、白衣・帽子・名札などの貸与品、鍵、名刺や社員証があればそれも。白衣はクリーニングして返すのが礼儀です
  • もらうもの……離職票(失業給付に必要。会社がハローワークに手続きをしてから届くので、退職から10日〜2週間ほどかかるのが一般的)、源泉徴収票(退職後1か月以内に会社が交付)、雇用保険被保険者証(会社が預かっている場合)

離職票は退職の日にはもらえません。「まだ届かない」と焦る人が多いのですが、仕組み上そうなっています。ただし2週間を過ぎても届かないときは、遠慮なく会社に連絡してください。

4. 退職後、自分でやること

  • 健康保険……次の会社にすぐ入らないなら、国民健康保険への加入(退職日の翌日から14日以内)か、いまの健康保険の任意継続(20日以内に申請)か、家族の扶養に入るかを選びます。任意継続は期限を1日でも過ぎると受け付けてもらえないので要注意です
  • 年金……同じく間が空くなら、国民年金への切り替え(14日以内)
  • 失業給付……離職票が届いたらハローワークへ

5. 最後の給料は「もう1回振り込まれる」

給料には締め日と支払日があります。たとえば20日締め・翌月払いなら、月末で辞めた人には退職の翌月に最後の給料が振り込まれます。これを知らずに「給料が入っていない」と連絡してくる人、逆に「辞めたのに振り込まれた」と驚く人、どちらもいます。明細も同じタイミングで届くので、退職後に住所が変わるなら必ず会社に伝えてください。届かない明細と源泉徴収票の問い合わせが、事務担当の毎年の悩みです。

入るとき:出す書類と、給食ならではの1枚

入社時に会社から求められる書類は、だいたい次のとおりです。

  • 雇用保険被保険者証(前に雇用保険に入っていた人)。番号が分かればよいので、前の会社の離職票でも代わりになります
  • 基礎年金番号またはマイナンバー
  • 給与所得者の扶養控除等申告書(税金の計算に必要。扶養がいなくても出します)
  • 給与振込の口座(通帳のコピーなど)
  • 前の会社の源泉徴収票(同じ年のうちに転職した人。年末調整で必要)
  • 健康診断の結果(会社によって)
  • 検便の結果……ここが給食ならではです

給食の仕事は、検便の結果が出るまで厨房に入れません。雇い入れ時の検便は法令でも求められていて、毎月の検便が続くのは検便と健康管理の記事に書いたとおりです。検査には数日かかるので、入社日の1週間以上前に提出するのが理想です。「明日から来てください」で入れない仕事なんです。

初日の持ち物や、最初に覚えることは新人が覚える10のことの記事にまとめています。

事務担当が本当に困った5つの例

ここからは、私の机に実際に来た困りごとを、架空の一例として書きます。どれも「知っていれば防げた」ものばかりです。

  • ①口座の記入が無い……入社書類は全部そろっているのに、口座だけ空欄。締め日を過ぎて給与計算に入ってから気づくと、その月の振込に間に合わないことがあります。給料が止まる原因の第1位です。通帳のコピーを1枚、初日に持ってきてください
  • ②雇用保険の番号が分からない……「前の会社の被保険者証、捨てました」。実は、前の会社名と在籍期間が分かれば、ハローワークで番号を調べられます。なので、履歴書に書いた会社名と期間は正確に。「だいたい3年くらい」では調べられません
  • ③検便が間に合わない……入社日は決まっているのに検便を出していない。結果が出るまでの数日間、厨房には入れず、事務所で座学だけになります。本人も気まずいし、現場も戦力が来ない
  • ④引っ越したのに住所を言わない……退職後に離職票と源泉徴収票を送ったら「宛先不明」で戻ってくる。本人は「離職票が届かない」と怒っている。両方が困る、一番もったいないケースです
  • ⑤退職日があいまい……「今月いっぱいで」と言ったのに、シフトの都合で翌月2日まで出勤した。すると退職日が変わり、保険の資格喪失日も最後の給料の計算もやり直しになります。退職日は日付で決めて、その後は出勤しないのが原則です

転職で損をしないための小さなコツ

  • 書類は捨てない……雇用保険被保険者証、年金の書類、源泉徴収票。次の会社で必ず聞かれます。クリアファイル1枚に入れておくだけで、転職のたびに楽になります
  • 次の会社の締め日と支払日を先に聞く……前の会社の最後の給料と、次の会社の最初の給料の間が空くことがあります。生活費の準備ができます
  • 検便は内定が出たらすぐ……給食の転職で一番の時短です。会社によっては入社前に検査キットを送ってくれるので、遠慮なく聞いてください
  • 「辞める会社」にも丁寧に……離職票も源泉徴収票も、辞めた会社が作ります。最後まで関係を悪くしないほうが、書類が早く届きます。これは本音です

転職先の選び方は会社の選び方の記事、面接で見られる点は面接と志望動機の記事に書いています。給料の相場は正社員の年収の記事、パートで働く場合はパートのリアルの記事が参考になると思います。

まとめ

  • 辞めるときは日付を決めて文書で。退職日を月末にするかどうかは事務担当に相談
  • もらう書類は離職票(10日〜2週間後)・源泉徴収票(1か月以内)・雇用保険被保険者証。住所変更は必ず伝える
  • 間が空くなら健康保険と年金の切り替えは14日以内、任意継続は20日以内
  • 入るときは口座・雇用保険番号・扶養控除等申告書、そして給食ならではの検便。検便は内定が出たらすぐ
  • 事務担当が困る5つは、全部「知っていれば防げる」

調理から事務に回るようになって、書類の向こう側にいる人の顔が見えるようになりました。私自身のその話は調理から事務への記事に書いています。書類は面倒ですが、あなたの給料と保険を守っているのは、その1枚です。

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