給食の仕事で有給は取れる?【パートも対象・5つの誤解と年5日ルール】

給食の仕事で有給は取れる?【パートも対象・5つの誤解と年5日ルール】|キッチンのりちゃん 年収・キャリア

こんにちは、キッチンのりちゃんです。委託給食会社で調理と事務をやって16年になります。

面接や入社の手続きのときに、よく聞かれる質問があります。「給食の仕事って、有給は取れるんですか?」。給食の厨房は、毎日決まった時間に決まった数の食事を出す仕事です。人数もぎりぎりで回していることが多いので、「休めないのでは」と心配になるのは自然なことだと思います。

私は事務の仕事で、働く人の有給の日数や取り方を確認する側にいます。今日は、有給休暇の基本のルールと、現場でよく聞く5つの誤解を、事務担当の目線でまとめます。

※この記事は労働基準法の一般的なルールをまとめたものです。会社ごとの細かい運用(半日単位の可否、申請の締め切りなど)は、就業規則と事務担当に確認してください。事例は架空の一例です。

この記事でわかること

  • 有給がいつ、何日もらえるか(パートを含む)
  • 現場でよく聞く5つの誤解
  • 有給を取りやすくするコツと、事務担当が見ていること

まず基本:有給はいつ、何日もらえるか

有給休暇(年次有給休暇)は、法律で決まった休みです。会社の好意で「あげる」ものではありません。条件は2つです。

  • 入社して6か月続けて働いている
  • その間、決められた出勤日の8割以上出勤している

この2つを満たすと、フルタイムの人には10日の有給がつきます。その後は1年ごとに増えていきます。

勤続 6か月 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月以上
日数 10日 11日 12日 14日 16日 18日 20日

有給がつく日を「基準日」と呼びます。自分の基準日がいつなのかは、入社日から数えれば分かりますが、会社によっては全員の基準日を揃えていることもあります。一度、事務担当に「私の基準日はいつですか」と聞いておくと安心です。

パートさんにも有給はある

週の勤務日数が少ないパートさんにも、有給はあります。日数は働く日数に応じて決まります。これを「比例付与」といいます。対象は、週4日以下、かつ週30時間未満で働く人です。

週の勤務日数 6か月 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月以上
週4日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
週3日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
週2日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
週1日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

週4日でも、1日の時間が長くて週30時間以上になる人は、フルタイムと同じ日数になります。パートの働き方そのものはパートのリアルの記事に書いています。

現場でよく聞く5つの誤解

誤解1:「パートには有給がない」

上の表のとおり、条件を満たせばパートさんにも有給はつきます。「パートだから」と遠慮して、一度も使わないまま過ごしている人もいますが、使っていい休みです。

誤解2:「理由を言わないと取れない」

有給を取るのに、理由を言う義務はありません。「私用のため」で十分です。

ただ、給食の現場は人数で回しています。理由は言わなくていいけれど、早めに言ってもらえると、シフトを組む側はとても助かります。理由より、時期の早さのほうが大事です。

誤解3:「忙しいからと断られたら、もう取れない」

会社には、どうしても仕事が回らない日に限って「別の日にしてもらえませんか」とお願いできる権利があります(時季変更権)。でもこれは、日をずらしてもらうためのもので、有給そのものを取らせないことはできません。

「その日は行事食で人が足りないので、翌週にしてもらえますか」という相談は、現場ではよくあります。そのときは、代わりの日を一緒に決めればいいのです。

誤解4:「使わなければ、ずっと貯まる」

有給には期限があります。ついた日から2年で消えます。前の年の残りは翌年に持ち越せますが、それより古い分はなくなります。「いつか使おう」と思っているうちに消えていた、という声も聞きます。

誤解5:「年5日は、自分で取らないといけない」

2019年4月から、年10日以上の有給がつく人には、会社が年5日を取らせることが義務になりました。これは働く人の義務ではなく、会社の義務です。取らせなかった場合、会社は罰則の対象になります。

そのため、5日に届きそうにない人には、会社から「この日に取りませんか」と日にちを指定されることがあります。パートさんでも、勤続が長くなって年10日以上つくようになれば、この対象に入ります。

給食の現場で、有給を取りやすくするコツ

  • シフトが決まる前に言う……シフトが出てから変えるより、組む前に入れてもらうほうがずっと楽。締め切りがあれば、それより前に
  • 行事食や大きな行事の日は避ける……献立表を見て、人手が要る日をあらかじめ外す
  • 連休は早めに相談する……年末年始や大型連休の前後は希望が重なる。1か月以上前が目安
  • 半日単位が使えるか確認する……会社が認めていれば、通院などに半日で使える。使えるかどうかは就業規則で決まる
  • 体調が悪い日の連絡は別……急な体調不良は、有給にするかどうかより先に、まず休む連絡を。休む基準は休む基準の記事に

シフトの組み方は早番・遅番の記事に書いています。

事務担当が見ていること

事務の側では、一人ひとりについて、基準日・ついた日数・使った日数・残りの日数を記録しています。会社には、この記録(年次有給休暇管理簿)を作って保存する義務があります。

その中で、特に気にしているのは2つです。

  • 年5日に届いていない人……基準日から1年の終わりが近いのに5日に届かない人には、早めに声をかける
  • 期限切れが近い人……2年で消える分が多く残っている人には、「消える前に使ってください」と伝える

給与明細に有給の残日数が書いてある会社もあります。明細の読み方は給与明細の記事にまとめています。入社のときにもらう書類の中に、有給のルールが書かれた就業規則があることは入社初日の記事でも触れました。

架空の例:週3日のパートさんの1年目

4月に入社したパートのAさんは、週3日勤務です。半年たった10月に、5日の有給がつきました。最初は「パートなのに使っていいのかな」と遠慮していましたが、リーダーに勧められて、12月に家族の用事で1日、2月に通院で1日使いました。

残りの3日は、翌年に持ち越せます。翌年の10月には、さらに6日がつきます。ただし、最初の5日のうち使わなかった分は、2年後の10月で消えます。Aさんは手帳の基準日の欄に「10月」と書いて、毎年確認することにしました。

まとめ

  • 有給は6か月・8割出勤でつく。フルタイムは10日から、最大20日
  • パートさんにもある。週4日以下かつ週30時間未満は、日数に応じた比例付与
  • 理由は言わなくていい。ただし早めの相談が現場を助ける
  • 会社ができるのは日をずらす相談まで。取らせないことはできない
  • 有給は2年で消える。年10日以上つく人には、会社が年5日を取らせる義務がある

給食の仕事は、休みが取れないと思われがちです。でも、早めに言って、行事の日を避けて、残りの日数を自分で把握しておけば、ちゃんと使える休みです。給食会社を選ぶときの見方は会社の選び方の記事にもまとめています。

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