給食の原価率の出し方|現役16年が使ってる計算式を公開

事務・Excel

「原価率(げんかりつ)って言葉、よう聞くけど…どうやって出すん?」

給食事務で毎月必ずやるのが、この原価率の計算です。難しそうに見えますが、実は足し算と引き算だけ。私が現場で16年間ずっと使ってきた計算方法を、実際の報告書の形そのままで分かりやすく解説します。

この記事を書いた人

名前キッチンのりちゃん
業界歴16年(給食委託会社 正社員)
業務調理+事務(原価管理・棚卸・発注・日報など)

そもそも「原価率」って何?

原価率とは、売上に対して「食材費」がどれくらいの割合かを表す数字です。

例えば原価率が33%なら、「売上100円のうち33円が食材費に使われた」という意味。この数字が高すぎると赤字に近づくので、給食現場では原価率の管理がめちゃくちゃ重要なんです。

STEP1:まず「売上原価(=今月使った食材費)」を出す

原価率を出す前に、まず「今月、実際にいくら分の食材を使ったか」=売上原価を計算します。これがちょっとだけコツがいるところ。下の図がその仕組みです👇

① 当月仕入れ(今月買った食材)
② 前月棚卸額(先月の残り在庫)
③ 当月棚卸額(今月末の残り在庫)−(マイナス)
= 売上原価(今月使った分)イコール

言葉にすると👇

① 当月仕入れ + ② 前月棚卸額 − ③ 当月棚卸額 = 売上原価

ポイントは「先月の残り(前月棚卸)も今月使える食材に足す」「今月末に残った分(当月棚卸)は引く」ということ。こうすることで、実際にその月に使った食材費だけがキレイに出せます。

実際の数字で計算してみよう(例)

架空の数字で、報告書と同じ流れをやってみます。

① 当月仕入れ915,000円
② 前月棚卸額+ 253,000円
③ 当月棚卸額− 309,000円
= 売上原価859,000円

915,000 + 253,000 − 309,000 = 859,000円。これが「今月使った食材費(売上原価)」です。

STEP2:原価率を計算する

売上原価が出たら、あとは売上で割るだけ。計算式はこれです👇

売上原価 ÷ 当月売上 × 100 = 原価率(%)

さっきの例で、当月売上が 2,535,000円 だったとすると👇

859,000 ÷ 2,535,000 × 100 = 約33.9%

原価率は約34%と出ました。これで「今月は売上の34%を食材費に使った」と分かります。

現場で原価率を抑える3つのコツ

  • 食材ロスを減らす:使い切れず捨てる=原価のムダ。先入れ先出しを徹底
  • 発注を適正に:買いすぎは在庫過多、買わなすぎは献立に穴。食数に合わせて発注
  • 棚卸を正確に:在庫の数え間違いは原価率を狂わせる。月末はきっちり数える

特に棚卸の正確さは原価率に直結します。数え間違えると、利益が出てるのに「赤字」に見えたりするので要注意です。

原価率が悪化したときの見方

数字が悪くなったとき、「使いすぎた」で終わらせず原因を切り分けるのが大事です。ボクはこの順で見ます。

  1. 食数は減っていないか……分母(売上)が減れば、原価率は自動的に上がります。使いすぎとは限りません
  2. 食材の相場は上がっていないか……野菜の高騰は毎年あります。これは現場の努力では防げない部分
  3. 行事食があったか……特別メニューの月は上がって当然。年間で均せば問題ないことも
  4. ロスが増えていないか……ここが唯一、現場で改善できる部分。廃棄記録を確認します
  5. 棚卸の数字は正確か……在庫の計上ミスで、数字だけが悪く見えていることもあります

大事なのは「自分たちで変えられること」と「変えられないこと」を分けること。相場の高騰を現場のせいにしても、誰も改善できません。

月ごとの波をどう捉えるか

原価率は1ヶ月単位で一喜一憂しないほうがいいです。理由があります。

  • 月末在庫のタイミング……月末に多めに仕入れた月は悪化、翌月は好転して見えます
  • 行事の偏り……12月・1月は上がりやすい。年間予算の中で調整するもの
  • 日数の違い……28日の月と31日の月では、当然数字が変わります

だから3ヶ月移動平均前年同月比で見るようにしています。単月の数字だけを追うと、無理な節約に走ってしまい、食事の質を落とすことになりかねません。

数字を現場に共有するコツ

原価管理は事務だけの仕事ではありません。現場全員が意識すると、数字は確実に良くなります。

  • 「%」でなく「もの」で伝える……「原価率が2%上がった」より「毎日キャベツ1玉を捨てている計算です」のほうが伝わります
  • 責めない……数字を持ち出して詰めると、報告が上がってこなくなります
  • 改善が見えたら共有する……「先月よりロスが減りました」と伝えると、次も続きます
  • 現場の意見を聞く……「この食材、毎回余ります」という声は、発注改善の宝です

数字は人を追い詰める道具ではなく、現場場を良くする材料です。ここを間違えると、事務と現場の関係が悪くなります(食材管理のコツ)。

計算はExcelにすると一瞬

私の現場では、この計算をExcelの報告書テンプレートに組んでいます。仕入れ・棚卸・売上の数字を入れるだけで、売上原価も原価率も自動で計算されるので、毎月コピペ感覚で1分で終わります。

「Excelの関数が苦手…」という方も大丈夫。足し算・引き算・割り算の式を一度組むだけ。分からなければ今はAIに聞けばすぐ教えてくれますよ。

👉 Excelの基本をしっかり学びたい方は、1冊手元に置いておくと事務作業が一気にラクになります。

まとめ|原価率は「足す・引く・割る」だけ

  • ✅ 売上原価=当月仕入れ + 前月棚卸 − 当月棚卸
  • ✅ 原価率=売上原価 ÷ 売上 × 100
  • ✅ 抑えるコツはロス削減・適正発注・正確な棚卸
  • ✅ Excelに組めば毎月の計算は一瞬

原価率の計算は、給食事務の基本中の基本。一度仕組みを覚えれば、毎月サッとこなせるようになります。これから事務を担当する方は、ぜひこの流れを頭に入れておいてくださいね。


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