給食の厨房の人間関係はしんどい?16年続けた立ち回りのコツ【給食歴16年】

事務・Excel

「厨房って人間関係が大変そう」——給食の仕事を考えている人から、よく聞く不安です。

正直に言うと、狭い空間で毎日顔を合わせる仕事なので、人間関係の影響は大きいです。高齢者施設の給食を委託会社の社員として16年やってきたボク(キッチンのりちゃん)が、現場のリアルと、うまくやるコツをお話しします。※事例は架空の一例です。

厨房で関わる人たち

まず整理しておくと、給食の現場では立場の違う人たちが一緒に働いています。

  • 委託会社のスタッフ……社員、パートさん。実際に調理する仲間
  • 施設側の管理栄養士さん……献立や栄養管理を担当。お客様であり、パートナー
  • 施設の職員さん……介護士さん、看護師さん。配膳・下膳で毎日やりとり

ここで大事なのが、施設側の人は「取引先」だという意識。同じ建物で働いていても、会社が違います。この線引きを理解しておくと、立ち回りがぐっと楽になります。

人間関係が難しくなりがちな理由

①逃げ場のない狭さ

厨房は物理的に狭い。合わない人がいても物理的に離れられないのが、他業種と違うところです。

②時間に追われている

提供時間という絶対の締め切りがあるので、余裕がないと言葉がキツくなりがち。忙しさが人をトゲトゲさせるのはどこでも同じです。

③年齢層が幅広い

10代のアルバイトから70代のベテランパートさんまで。価値観も働き方の常識も違う人たちが同じ空間にいます。

④「やり方」が人によって違う

長年やっている人ほど自分のやり方がある。「前はこうしてた」問題は永遠のテーマです。

うまくやるためにボクがやっていること

①挨拶と声かけを絶対に切らさない

「おはようございます」「お疲れさまです」「ありがとうございます」。これを毎日続けるだけで、関係の土台は9割できます。安全面の効果もあります(新人がまず覚えるべき10のこと)。

②パートさんを「先輩」として敬う

社員だからといって偉いわけではありません。その現場を長く支えてきたのはパートさん。教わる姿勢を持つと、驚くほど協力してもらえます。

③指摘は「人」ではなく「やり方」に向ける

「あなたが悪い」ではなく「この手順をこう変えませんか」。主語を人からルールに移すだけで、角が立ちにくくなります。

④施設側とは丁寧に、でも言うべきことは言う

取引先だからと言いなりになると、現場が回らなくなります。できること・できないことを根拠を持って伝える。これも大事な仕事です。

⑤忙しい時ほど、ひと呼吸

バタバタしている時のひと言が一番刺さります。イラッとしたら一回だけ深呼吸。これで防げるトラブルは山ほどあります。

それでも合わない人はいる

正直、どれだけ努力しても合わない人はいます。その時は——

  • 仕事の関係と割り切る……友達になる必要はありません
  • 業務上の会話は必ずする……無視は事故のもと。ここだけは切らさない
  • 一人で抱えない……ひどい場合は上司や本部に相談。我慢が美徳ではありません

入ったばかりの人が最初にやるべきこと

新しい現場に入ると、人間関係のできあがった輪の中に飛び込むことになります。ここでの立ち回りが、その後を左右します。

  • 最初の1週間は「聞く」に徹する……前の職場のやり方を持ち込まない。まずこの現場のルールを覚える
  • 名前を早く覚える……「すみません」より「○○さん」。呼ばれた側の印象がまるで違います
  • 雑用を嫌がらない……ゴミ捨て、床掃除。地味な仕事を進んでやる人は、必ず見られています
  • 「前はこうでした」を封印する……たとえ正しくても、最初に言うと反発を招きます。信頼ができてから提案する

ボクの経験上、最初の1ヶ月で「感じのいい人」と思われたら、その後がずっと楽になります。技術はあとから見てもらえばいい。

板挟みになったときの考え方

現場責任者になると、必ず板挟みを経験します。施設側の要望と、現場スタッフの負担。会社の方針と、目の前の現実。

  • 持ち帰る勇気を持つ……その場で無理に決めない。「確認してご返答します」でいい
  • できない理由を数字で言う……「人手が足りません」より「この作業には2人×1時間必要です」。感情でなく事実で話す
  • 一人で決めない……本部や上司に相談する。抱え込むと潰れます
  • スタッフには経緯を伝える……決まったことだけ伝えると「勝手に決められた」と感じさせてしまいます

若い頃は「断ったら評価が下がる」と思って全部引き受けていました。でもできない約束をするほうが、結果的に信頼を失うと分かってからは変わりました。

「合わない人」との距離の取り方(具体編)

記事の前半で「割り切る」と書きましたが、実際にどうするかも書いておきます。

  • 業務連絡は必ず、丁寧に……感情を挟まない。ここを切ると事故につながるので、絶対に守る
  • 反応しない……嫌味を言われても、真に受けて言い返さない。淡々と作業に戻る
  • 物理的に距離を取る……可能なら配置を変える。同じ持ち場を避けるだけで、だいぶ楽になります
  • 記録を残す……度を越えている場合は、日付と内容をメモしておく。相談するときの材料になります
  • 相談先を持っておく……本部、上司、あるいは家族でも。一人で抱えないことがいちばん大事です

それでもどうにもならないこともあります。そのときは異動や転職も選択肢です。合わない現場で心を削るより、動いたほうがいい場面は確実にあります。

まとめ:技術より「一緒に働ける力」

16年やってきて思うのは、厨房で長く続く人は、調理が上手い人より「一緒に働きやすい人」だということ。

挨拶する、感謝を伝える、相手を立てる——特別なことではありません。でもこの積み重ねが、忙しい現場を回す一番の潤滑油になります。人間関係が良い厨房は、不思議と料理も美味しくなるんです(やりがいと大変なこと)。

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