食品衛生責任者の取り方|1日の講習で取れる給食の最初の資格【給食歴16年】

食品衛生責任者の取り方|1日の講習で取れる給食の最初の資格 年収・キャリア

こんにちは、キッチンのりちゃんです。委託給食会社で調理と事務をやって16年になります。

「給食の仕事を始めたいけど、資格がないと無理ですか?」——これはよく聞かれる質問です。答えは「未経験・無資格でも始められます」。ただ、働き始めてから最初に取ることになる資格が、たいてい食品衛生責任者です。

私も25歳のときに取りました。調理師免許を取ったのは32歳なので、順番としては食品衛生責任者のほうが先です。今回は、この資格が何なのか、どうやって取るのか、取ると何が変わるのかを書いていきます。

食品衛生責任者とは?

食品衛生責任者は、食品を扱う施設ごとに必ず1人置かなければならないと決められている役割です。飲食店、給食施設、食品工場など、営業許可が必要な施設にはもれなく必要になります。

仕事は「その施設の衛生管理の責任者」。具体的には、施設の衛生状態をチェックする、必要な記録をつける、働くスタッフに衛生のルールを伝える、といった役割を担います。

2021年6月からHACCPに沿った衛生管理が完全義務化され、衛生管理計画をつくって記録を残すことが求められるようになりました。記録と管理の重みが増したぶん、この資格の役割も以前より大きくなっています

取り方:1日の講習で取れます

ここが一番知ってほしいところなのですが、食品衛生責任者は試験に合格する資格ではなく、講習会を受ければ取得できます。各都道府県の食品衛生協会などが実施している「食品衛生責任者養成講習会」を受講する形です。

  • 受講資格……学歴・実務経験は不問。年齢の条件は自治体によって異なり、東京都の場合は17歳以上(高校生は不可)とされています
  • 講習時間……合計6時間。食品衛生学2時間30分、公衆衛生学30分、食品衛生法3時間という内訳で、基本的に1日で終わります
  • 受講料……地域によって差があり、おおむね1万円前後(東京都は教材費込みで12,000円)
  • 修了証……講習が終わると修了証が交付されます。東京都では赤い手帳の形で渡されます

最近は会場に集まる形式だけでなく、eラーニング(オンライン)で受けられる自治体も増えています。シフト勤務で平日に休みが取りにくい人には、こちらのほうが現実的かもしれません。

なお、受講料・年齢条件・日程・オンライン対応の有無は自治体によって違います。受ける前に、必ずお住まいの都道府県の食品衛生協会の案内を確認してください。

調理師や栄養士を持っている人は、講習が不要

見落とされがちですが、すでに一定の資格を持っている人は講習を受けなくても食品衛生責任者になれます。

対象になるのは、栄養士、管理栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、医師、獣医師、歯科医師、薬剤師など。つまり調理師免許を持っている人は、あらためて講習を受ける必要がありません

もしこれから調理師免許を目指すつもりなら、先に取っておくと二度手間にならずに済みます。ただ調理師免許は受験に実務経験が必要なので、まず食品衛生責任者を取って働きながら経験を積み、あとから調理師に進む——私もそうでしたし、給食の現場ではよくある流れです。

講習当日はどんな感じ?

身構える人が多いのですが、拍子抜けするくらい普通です。朝に受付をして、テキストを受け取って、あとは1日座って講義を聞くだけ。昼休みをはさんで夕方には終わります。

内容は食中毒を起こす菌の話、施設や器具の衛生管理、そして食品衛生法などの法律の話。難しい言葉も出てきますが、講師の方が現場の例を交えて説明してくれるので、調理の経験がゼロでもついていけます。

最後に理解度を確認する簡単なテストがありますが、落とすための試験ではありません。話をきちんと聞いていれば大丈夫な内容です。それより、6時間座りっぱなしのほうがきついかもしれません。

取ると現場で何が変わるのか

正直に言うと、資格を取った翌日から調理の腕が上がるわけではありません。それでも、変わることはあります。

  • 衛生の「なぜ」がつながる……現場で教わるルールは「そう決まっているから」で覚えがちですが、講習で法律や菌の話を通しで聞くと、手洗いも温度管理も理由でつながります。腹落ちすると手抜きをしなくなります
  • 任される仕事が増える……衛生チェックや記録は責任者の仕事です。任されるということは、それだけ現場を見る立場に近づくということです
  • キャリアの土台になる……主任やチーフになると事業所の衛生管理を背負うことになります。その前提として必要になる資格なので、早めに取っておいて損はありません

費用については、会社が負担してくれるケースもあります。「取っておいてほしい」と言われる立場の資格なので、自腹で申し込む前に、一度会社に確認してみることをおすすめします

これから給食で働く人へ

まとめると、食品衛生責任者は給食業界でいちばん取りやすくて、いちばん早く役に立つ資格です。学歴も経験も要らず、1日の講習で取れて、現場での立ち位置が変わる。コストパフォーマンスで言えばかなり優秀だと思います。

未経験で入った人が「何か資格を取りたいんですが、何から取ればいいですか」と聞いてきたら、私は迷わずこれを勧めます。そのうえで、実務経験が2年たまったら調理師免許に進む。この順番がいちばんスムーズです。

まとめ

  • 食品衛生責任者は、食品を扱う施設ごとに1人必要な衛生管理の責任者
  • 試験ではなく講習会で取得できる。1日6時間・おおむね1万円前後・学歴や経験は不問
  • eラーニング対応の自治体も増えている(条件は自治体ごとに要確認)
  • 調理師・栄養士などの有資格者は講習が免除される
  • 衛生の「なぜ」が分かり、任される仕事が増え、主任へのキャリアの土台になる

資格そのものより、取ったあとに現場で何を見るようになるかのほうが大事です。衛生は給食の仕事の土台なので、早いうちに一度きちんと学んでおくと、その後16年ずっと効いてきます。

もうひとつの定番資格は調理師免許は意外と取りやすい?で書いています。現場の衛生の実際は衛生管理ミス10選調理員の検便・健康管理で、キャリアの進み方は給食業界で出世するには?、未経験からの始め方は調理スキルゼロから始める給食現場もあわせてどうぞ。

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