こんにちは、キッチンのりちゃんです。委託給食会社で調理と事務をやって16年になります。
「給食の仕事って、女性ばかりじゃないの?男でも続けられる?」
給食委託会社への転職を考えている男性から、よく聞かれる質問です。たしかに調理現場のパートさんは女性が中心で、「給食のおばちゃん」という言葉もあるくらいなので、男性には入りにくいイメージがあるかもしれません。
私は38歳の男性で、22歳で給食委託会社に入ってから16年、ずっとこの業界で働いています。この記事では、男性として16年続けてきた実感をもとに、良いところも、しんどいところも、正直にお伝えします。
※会社の様子は私の勤務先の話です。会社によって違うので、求人票や面接で確認してください。
この記事でわかること
- 男性が給食業界で働いて困ること・困らないこと
- 16年続けて分かった「安定」の中身と、しんどいところ
- 男性が選べるキャリアの道と、向いている人
この記事を書いた人
- 名前:キッチンのりちゃん
- 年齢:38歳・男性
- 業界歴:16年(22歳で給食委託会社に入社)
- 担当:高齢者施設などの3事業所
- 業務:調理+事務(現場にも立つプレイングマネージャー)
- 資格:食品衛生責任者、調理師免許(在職中に勉強して取得)
結論:男性でも給食業界は十分アリです
先に結論を言うと、男性でも給食業界は十分アリです。私が16年続けてこられた一番の理由は、とてもシンプルで「安定しているから」です。
そして、意外に思われるかもしれませんが、私の会社では正社員は男性の方が多いです。女性が中心なのはパートさんで、現場をまとめる社員や、複数の事業所を見る立場には男性もたくさんいます。「給食=女性の仕事」というイメージは、少なくとも正社員の世界ではそのまま当てはまりません。
男性だから困ったことは、正直あまりない
「女性が多い職場で、男性は浮かないの?」と心配される方も多いのですが、私自身は男性だから戸惑ったことは、ほとんどありませんでした。
給食の厨房は、時間までに決まった数の食事をつくるチームです。大事なのは性別より、段取りを覚えること、声をかけ合うこと、衛生のルールを守ること。ここができていれば、男性でも女性でも同じように信頼されます。
人間関係で気をつけることは、男性だから特別というより、どんな職場でも同じです。パートさんとの付き合い方は厨房の人間関係の記事にまとめています。
16年続けて分かった「安定」の中身
「安定」と一言で言っても、中身は3つあります。
① 仕事がなくならない
高齢者施設の入居者さんは、毎日3食を食べます。景気が良くても悪くても、食事はなくなりません。給食委託の仕事は、施設との契約がある限り毎日必ずある仕事です。
② 1日の流れが決まっている
給食は提供時間が決まっているので、1日の流れがほぼ毎日同じです。早番・遅番などのシフトはありますが、先の予定が立てやすいのは長く続けるうえで大きいと感じています。1日の流れは給食委託社員の1日で紹介しています。
③ 少しずつだが年収が上がってきた
私の場合、入社1年目の年収はおよそ290万円で、16年目の今はおよそ500万円です。大きく跳ね上がる業界ではありませんが、経験と役割が増えるにつれて少しずつ上がってきました。くわしくは給食委託会社の正社員年収で書いています。
正直しんどいところも3つ
① 朝が早い
朝食を提供する施設では、早番は朝早くから厨房に入ります。夜型の人には最初つらいかもしれません。早番の実際は朝食の早番の記事を見てください。
② 重い物が多く、頼まれやすい
お米の袋、油の缶、食材の箱、大きな鍋。給食の厨房は重い物を運ぶ場面が多く、男性はどうしても頼まれやすくなります。
ただし、無理は禁物です。厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」では、満18歳以上の男性が人力だけで持ち上げる重さは、体重のおおむね40%以下が目安とされています。台車を使う、2人で持つ、小分けにする、を当たり前にしてください。腰の守り方は給食調理員の腰を守るにまとめました。
③ 年収が大きく跳ねることはない
安定している分、短期間で大きく稼げる業界ではありません。「30代で年収1,000万円」を目指す人には向かないと思います。逆に、長く同じ業界で積み上げたい人には合っています。
男性が選べるキャリアの道
給食委託会社でのキャリアは、ざっくり言うと「現場の社員 → 主任(事業所の責任者) → 本部」という流れです。私の場合はこうでした。
- 22歳:新卒で給食委託会社に入社。料理経験はほぼゼロで、洗い物と盛り付けからのスタート
- 25歳:食品衛生責任者を取得
- 28歳:1事業所のチーフ(現場責任者)に
- 32歳:働きながら調理師免許を取得。複数の事業所を担当するように
- 35歳:日報・棚卸・原価・現金管理などの事務も兼任
- 38歳(今):3事業所を担当し、調理と事務の両方をしながら後輩の指導も
入社したときは料理がほとんどできませんでしたが、それでも続けてこられました。男性で料理経験がない方も、最初は洗い物や盛り付けから覚えていけば大丈夫です。未経験からの入り方は調理スキルゼロから始める給食現場で書いています。
なお、施設の施設長や栄養士は、施設側(取引先)の立場の人で、委託会社の社員とは雇い主が違います。調理員と栄養士の違いは調理員と栄養士の資格とキャリアの地図で整理しています。上に行くための考え方は給食業界で出世するには?に書きました。
こんな男性に向いている/向いていない
向いている人
- 派手さより、長く安定して働きたい
- 早寝早起きが苦にならない
- チームで段取りよく動くのが好き
- 人の役に立つ仕事にやりがいを感じる
向いていない人
- 朝がどうしても苦手
- 短期間で大きく稼ぎたい
- 腰や体に不安があり、重い物を持つ仕事を避けたい
会社選びで見ておくポイントは給食委託会社の選び方、よくある疑問は給食の仕事Q&Aにまとめています。
まとめ|男性でも、安定して長く働ける業界
- 私の会社では正社員は男性の方が多い。女性中心なのはパートさん
- 男性だから困ったことは正直あまりない。大事なのは段取りと声かけと衛生
- 16年続けてこられた一番の理由は安定
- しんどいのは朝の早さ・重い物・年収の伸び方
- キャリアは現場の社員 → 主任 → 本部
給食の仕事は地味ですが、毎日必ず必要とされる仕事です。男性で迷っている方は、まず求人票や面接で、その会社の働き方を確かめるところから始めてみてください。


