調理スキルゼロから始める給食現場|未経験OKって本当?16年目社員が解説

調理スキル

こんにちは、キッチンのりちゃんです。委託給食会社で調理と事務をやって16年になります。

「料理をほとんどしたことがないけれど、給食の仕事って本当に未経験でできるの?」

転職を考えている方が一番不安に思うのが、この点だと思います。求人には「未経験OK」「調理経験不問」と書いてあるけれど、本当に大丈夫なのか。入ってから後悔しないか。実際にどうやって仕事を覚えるのか。

私は22歳で、新卒・未経験・料理経験ほぼゼロで給食委託会社に入りました。この記事では、そんな私が入社1日目から半年で何をどう覚えたかを中心に、未経験から給食現場に入るリアルをお話しします。

※会社や現場によって覚える順番や速さは違います。私の経験は一例として読んでください。

この記事でわかること

  • 給食現場が本当に未経験OKなのか、その理由
  • 入社1日目から半年までに実際に覚えたこと
  • 未経験の人が陥りがちな失敗と、会社選びのポイント

結論:給食現場は本当に未経験OKです

最初に結論からお伝えします。給食委託会社の現場は、料理経験ゼロでも入れます。理由は3つです。

  • 仕事が決まっている(献立・分量・調理手順が決まっている)
  • 先輩が一から教えてくれる(新人を育てる流れがある会社が多い)
  • 家庭料理とは別物(料理経験者も最初は戸惑う)

私の周りにも、料理とは関係のない異業種から入ってきて活躍している人がたくさんいます。

私の入社1日目〜半年

ここからは、私自身がどう仕事を覚えていったかです。

入社直後:洗い物と盛り付けから

入社したときの私は、料理がほとんどできませんでした。最初の仕事は洗い物と盛り付けです。食器や調理器具の洗い方、片付けの場所、清掃と消毒の手順。地味ですが、厨房の全体の流れと衛生のルールを体で覚える大事な時期でした。

1か月以内:包丁を持って仕込みへ

入社して1か月たたないうちに、包丁を持って仕込みに入るようになりました。野菜を洗う、皮をむく、切る、量る。最初は先輩の横で同じ作業をしながら覚えます。

半年:一人で1食分の調理を回せるように

そして入社して半年くらいで、一人で1食分の調理を回せるようになりました。給食の献立は一定の周期で似たメニューがめぐってくるので、繰り返すうちに手が覚えていきます。

その後のこと

その後は、25歳で食品衛生責任者、28歳で1事業所のチーフ(現場責任者)、32歳で調理師免許を取って複数の事業所の担当に、35歳で事務も兼任するようになり、今は3事業所を担当しています。料理ゼロから始めても、ここまで来られました。

最初の頃に苦労した2つのこと

正直に言うと、苦労がなかったわけではありません。私が一番苦労したのは次の2つです。

① 量の感覚

家庭料理は2〜4人分ですが、給食は何十人分、何百人分です。野菜の量も、調味料の量も、鍋の大きさも、家とはけた違いでした。目分量はまったく通用しません。

ここで頼りになるのが、レシピに書かれた数字です。分量は決まっているので、毎回きちんと量る。これを続けるうちに、少しずつ「このくらいの量でこのくらい」という感覚がついてきます。

② 段取りとスピード

給食は提供時間が決まっています。時間までに、決まった数を、決まった温度で仕上げなければいけません。最初は一つの作業に集中すると、次に何をするかが頭から抜けてしまい、先輩に追いつけませんでした。

段取りは、1日の流れを先に頭に入れることで少しずつ身につきます。100食前後の段取りの組み方は大量調理のコツで、時間割つきで紹介しています。

「給食調理」と「家庭料理」は別物

これは知らない方が多いのですが、給食調理は家庭料理の延長ではありません。

  • 家庭料理は2〜4人分、給食は何十〜何百人分
  • 家庭のレシピは自由でも、給食のレシピは分量まで決まっている
  • 業務用の大きな鍋や回転釜を使う
  • 加熱は中心温度75℃で1分以上が基準
  • 盛り付けは決められた量で均等に

つまり、家庭料理が得意な人ほど「自己流」で苦労することもあります。逆に料理経験ゼロの人は、決められたとおりに素直にやることで、スムーズに覚えられます。私がまさにそうでした。

「見て覚えろ」の世界ではありません

「料理の世界は職人気質で、『見て覚えろ』『盗んで学べ』という怖い雰囲気なのでは?」と心配される方もいます。でも、給食委託会社の現場は逆です。

献立は前もって決まっていて、レシピには分量が書かれ、加熱の温度や時間も数字で決まっています。「先輩の背中を見て盗め」ではなく、「決まったやり方を教わって、そのとおりにやる」のが給食の現場です。料理が苦手で不安な方こそ、型どおりにやれば確実にできるこの仕事は向いています。

未経験の人が最初の1か月で覚えること(一例)

私の経験をもとにした、最初の1か月の流れの一例です。

  • 1週目:洗い物・片付け(食器洗浄機の使い方、清掃・消毒の手順)
  • 2週目:仕込みの補助(野菜の洗浄、皮むき・カット、計量)
  • 3週目:盛り付け・配膳(決められた量の盛り付け、検食の準備)
  • 4週目:調理の補助(煮物や汁物の仕上げなどを先輩と一緒に)

同時に、衛生のルールも覚えていきます。どれが国の基準で、どれが会社のルールかは衛生管理ミス10選で整理しています。新人さんが最初に知っておきたいことは新人の心得の記事もどうぞ。

未経験の人が陥りがちな3つの失敗

① 「家でやっている感覚」で目分量にする

給食は、全員に同じ量・同じ味の食事を届ける仕事です。レシピどおりの分量が大原則です。私が量の感覚で苦労したのも、まさにここでした。

② 衛生管理を軽く見る

家庭なら「少しくらい平気」で済むことも、給食では一度に大勢の方の健康に関わります。食中毒を出せば、施設との信頼も会社の信用も失います。手洗い・温度・記録は最初から真剣に。

③ 「教えてもらっていない」と受け身になる

未経験から伸びる人と伸びない人の差は、質問できるかどうかです。「これはどうやるんですか?」「次は何をすればいいですか?」「これで合っていますか?」。この3つを言える人は、確実に育ちます。

未経験OKでも「向いていない人」はいる

  • 朝がどうしても苦手な人(朝食のある施設では早番の朝が早い)
  • 立ち仕事や重い物を運ぶのがつらい人
  • チームで動くのが苦手な人(給食は完全に共同作業)
  • 同じ作業の繰り返しが苦痛な人
  • 決められたとおりにやるのが嫌いな人(分量や手順は決まっている)

早番の実際は朝食の早番の記事で紹介しています。

未経験の人の会社選び

「未経験OK」と書かれていても、教える体制が整っていない会社もあります。見ておきたいのは、新人研修があるか、マニュアルが整っているか、最初から一人きりの勤務にならないか、資格取得のサポートがあるかです。逆に「いきなり一人で全部任される」「マニュアルがない」「面接で労働時間を聞くと嫌がられる」といった会社は注意が必要です。

求人票で見るポイントは給食委託会社の選び方、面接の準備は面接対策の記事にまとめています。

16年目の私から、未経験で飛び込む人へ

私自身、新卒・未経験・料理ゼロで入りました。最初は洗い物と盛り付けから、1か月以内に包丁を持ち、半年で1食を回せるようになりました。量の感覚と段取りには苦労しましたが、16年たった今は3事業所を担当しています。

「未経験だから無理」ではなく、「未経験だからこそ、素直に覚えて伸びられる」仕事です。働きやすさの中身は給食の仕事は未経験でも働きやすい、よくある疑問は給食の仕事Q&Aにまとめています。

まとめ

  • 給食現場は料理経験ゼロでも本当にOK
  • 私の場合、洗い物と盛り付け→1か月以内に仕込み→半年で1食を回せるように
  • 苦労したのは量の感覚と段取り。どちらもレシピの数字と1日の流れで身につく
  • 家庭料理とは別物なので、未経験の方が素直に覚えられることも
  • 失敗しがちなのは「目分量・衛生軽視・受け身」の3つ
  • 会社選びは教える体制が整っているかを見る

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