「給食の仕事って、ぶっちゃけどうなん?やりがいある?しんどい?」
これから給食業界を目指す方が、一番知りたいのがココやと思います。キレイごとだけ言ってもしゃーないので、業界歴16年の現役社員が「やりがい」も「大変なこと」も両方とも本音でお話しします。
この記事を書いた人
| 名前 | キッチンのりちゃん |
| 年齢 | 38歳・男性 |
| 業界歴 | 16年(給食委託会社 正社員) |
| 担当 | 3事業所(高齢者施設・保育園など) |
給食の仕事「やりがい」5つ
① 「おいしかった」のひと言が直接もらえる
これが一番です。入居者さんや園児から「今日のおいしかったよ、ありがとう」と言われた瞬間、疲れが吹き飛びます。自分の作ったものを毎日、目の前で食べてもらえる仕事は意外と少ないんです。
② 「食」で人の健康を支えている実感
給食は、利用者さんにとって毎日の楽しみであり、健康の土台。栄養バランスの取れた食事を届けることが、誰かの元気につながっている——この社会的な意義は、働く上で大きな誇りになります。
③ 行事食でみんなが笑顔になる
クリスマス、お正月、お月見、誕生日…。行事食を出すと、利用者さんの顔がパッと明るくなります。手間はかかるけど、その笑顔を見たら「やってよかった」と心から思えます。
④ 手に職がつく・一生使えるスキル
大量調理・段取り力・衛生管理…給食現場で身につくスキルは一生もの。調理師免許などの資格も取れて、食いっぱぐれないのは大きな安心です。
⑤ チームで一つのものを作り上げる達成感
提供時間に向けて、仲間と力を合わせて100食・200食を仕上げる。無事に出し終えた時の達成感は、何度味わっても気持ちええもんです。
正直に言う|給食の仕事「大変なこと」5つ
① 朝が早い
朝食を出す施設だと出勤が早朝。最初は体がしんどいです。ただ、慣れると午後の早い時間に終わるのでプライベートは充実しやすいです(メリットでもある)。
② 体力勝負・暑い
立ちっぱなし、重い鍋、夏場の厨房は暑い。正直体力仕事です。でも動き方のコツを覚えると、無駄な力を使わずこなせるようになります。
③ 時間に追われる
提供時間は1分でも遅れられない。最初はこのプレッシャーが大きいです。ただ、段取り(逆算思考)が身につけば、慌てずに回せるようになります。
④ 衛生管理の責任が重い
食中毒は絶対に出せません。常に気を張る必要があります。でもこれは裏を返せば「人の命を預かるプロの仕事」という誇りでもあります。
⑤ 給料は「すごく高い」わけではない
正直、超高給ではありません。ただ安定していて、長く続けられるのは強み。資格手当や役職で着実に上げていけます。
大変さは「時期」で変わる
しんどさは一定ではありません。いつが山なのかを知っておくと、心構えができます。
- 入ったばかりの1〜3ヶ月……覚えることが多く、体力的にもきつい。ここが最初の壁
- 夏(7〜9月)……厨房の暑さと衛生管理の緊張感で、体力的に一番きつい季節
- 年末年始……行事が連続する繁忙期。世間が休みの中で働く
- 人が抜けたとき……欠員が出ると、残ったメンバーの負担が一気に増えます
逆に言えば、それ以外の時期は落ち着いているということでもあります。3ヶ月続けば体が慣れ、1年経てば季節の波が読めるようになります。
意外と知られていない「いいところ」
やりがいとは別に、働くうえで地味に助かっている点も挙げておきます。
- 残業が比較的少ない……提供時間が決まっているので、ダラダラ残ることが少ない
- ノルマや営業がない……数字を追いかけるプレッシャーとは無縁
- 接客のストレスが少ない……クレーム対応は基本的に施設側が窓口です
- 景気に左右されにくい……食事は毎日必要。仕事がなくなることは考えにくい
- 全国どこでも働ける……高齢者施設も保育園も全国にあります。引っ越しても仕事が見つかりやすい
特に「なくならない仕事」というのは、長く働くうえで大きな安心材料です。派手さはありませんが、堅実な職種だと思っています。
向いている人・しんどくなりやすい人
16年見てきて、続く人と辞める人には傾向があります。
向いている人
- コツコツ続けられる人……毎日同じことの繰り返しを苦にしない
- チームで動ける人……一人でやる仕事ではありません
- ルールを守れる人……衛生管理は自己流が通用しない世界です
- 誰かの役に立ちたい人……ここが一番の原動力になります
しんどくなりやすい人
- 自分のペースで進めたい人……時間に追われる仕事なので、ここは合わせる必要があります
- 創作料理をやりたい人……給食は献立が決まっています。自由度は高くありません
- 高収入を最優先にする人……正直、給料が突出して高い業界ではありません
ただし「料理が得意かどうか」は関係ありません。ボクも入社時は料理経験ゼロでした。大事なのは技術より姿勢です(未経験OKって本当?)。
16年続けた私の本音
大変なことも正直たくさんあります。でも、16年も続けてこられたのは、それ以上に「やりがい」が大きいから。「ありがとう」と「笑顔」が毎日もらえる仕事は、そうそうありません。
派手さはないけど、誰かの毎日を確実に支えている。そんな実感が欲しい人には、心からおすすめできる仕事です。
まとめ|大変さの先に、確かなやりがいがある
- ✅ やりがい=「おいしい」の声・健康を支える・笑顔・手に職・達成感
- ✅ 大変さ=朝早い・体力・時間・責任・給料(でも全部メリットの裏返し)
- ✅ 16年続けられたのはやりがいが勝るから
キレイごと抜きでも、給食の仕事は「人の役に立っている」を毎日感じられるいい仕事です。少しでも気になっている方は、ぜひ一歩踏み出してみてくださいね。
それでも辞めなかった理由
正直に言うと、辞めようと思ったことは何回もあります。夏の厨房は本当に暑いし、人は足りないし、覚えることは多いし。20代の頃は「なんでこんなしんどい仕事選んだんやろ」と思ってました。
でも、続いた理由をひとつ挙げるなら——
ある入居者さんが、食堂でボクを見つけて手招きしてくれたことがありました。何かクレームかなと思って行ったら、「今日の煮物、味がちょうどよかったよ。ありがとう」って。それだけ。
たったそれだけなんですけど、その日の疲れが全部飛びました。自分が作ったものを、目の前の人が食べて、美味しいと言ってくれる。この距離の近さは、給食ならではやと思います。
派手さはないし、給料が高い仕事でもない。でも「今日も誰かの一日を支えた」と思って帰れる仕事は、そんなに多くないんじゃないでしょうか。


