「給食の仕事って、ひたすら料理を作るだけやろ?」
そう思われがちですが、実は違います。長く働くほど痛感するのが、「人との関係づくり」の大切さです。
入居者様とのコミュニケーションはもちろん大切。でも実は、一緒に働く施設職員さんとの関係づくりも、同じくらい重要なんです。この記事では、業界歴16年の現役社員が「給食×人間関係」のリアルをお話しします。
この記事を書いた人
| 名前 | キッチンのりちゃん |
| 年齢 | 38歳・男性 |
| 業界歴 | 16年(給食委託会社 正社員) |
| 担当 | 3事業所(高齢者施設・保育園など) |
| 資格 | 調理師免許(在職中に独学で取得) |
給食はチーム戦|たくさんの職種と連携している
給食は、調理スタッフだけで完結する仕事ではありません。実際の現場では、こんなにたくさんの職種と力を合わせています。
- 施設長:施設全体の方針・要望
- 介護職員(ヘルパー):入居者様の食事介助・日々の様子
- 看護師:体調変化・服薬・健康管理
- 管理栄養士:献立作成・栄養管理・食事形態の指示
これだけ多くの職種が関わって、はじめて一食が成り立っています。だからこそ、日頃から積極的にコミュニケーションを取ることが欠かせません。
情報共有が「安全な食事」をつくる
特に大事なのが情報共有です。次のような情報がスムーズに回る現場ほど、事故やミスが減ります。
- 食事形態の変更(普通食 → きざみ食・ペースト食 など)
- アレルギー対応
- 入居者様の体調変化
逆に、情報が途中で止まってしまうと一気にリスクが上がります。「安全で質の高い食事」は、職種を越えた情報共有から生まれる——これは16年やってきた実感です。
トラブルの時こそ、日頃の関係がモノを言う
現場ですから、時にはトラブルやミスも起きます。そんな時、普段から良い関係が築けていれば、「お互いさま」で協力しながら解決に向かいやすいんです。
正直に言うと、施設によっては職員同士の雰囲気が少しピリピリしていることもあります(笑)。だからこそ、普段からの「おはようございます」「お疲れさまです」のひと言が効いてくるんです。
逆に関係がこじれてしまうと、ほんの小さなことでも本部へのクレームにつながることも……。これ、現場あるあるです。
職種ごとの「連携ポイント」
相手の職種によって、伝えるべきことも聞くべきことも違います。ボクが意識している役割分担を整理しておきます。
管理栄養士さん(施設側)
- 献立や栄養基準についての相談窓口。基準の範囲でできる工夫を一緒に考えます
- 「この食材、今月高いので代替できませんか」といった現場からの提案も遠慮せずに
- 形態変更や禁食の指示も、ここから来ることが多いです
介護士さん
- 食べている様子を一番よく見ている人たち。「最近この方、残しがちです」という情報は貴重です
- 配膳・下膳で毎日顔を合わせるので、いちばん関係づくりが効く相手
- 下膳のときに「今日どうでした?」と一言聞くだけで、次の献立に活かせます
看護師さん
- 体調変化や持病に関わる食事制限の情報源
- 「血糖値が上がってきたので甘いものを控えて」など、医療的な判断が入る指示
- 誤嚥やむせ込みの情報も、看護師さん経由で来ることが多いです
伝わる伝え方——3つのコツ
連携でつまずくのは、たいてい伝え方です。16年でたどり着いたコツを書いておきます。
- 結論から言う……「明日の昼食、301号室の方を軟菜に変更します」。経緯は後。忙しい相手ほど結論が先
- 変更は必ず書面で残す……口頭だけは絶対にしない。「言った・聞いてない」が事故のもと
- 相手の忙しい時間を避ける……介護士さんは食事介助中、看護師さんは処置の時間。相手のリズムを知っておくと話が通りやすい
「委託」という立場をどう考えるか
ボクたち委託会社の社員にとって、施設は取引先です。同じ建物で働いていても、会社が違います。ここの距離感が難しいところ。
- 言いなりにならない……できないことは根拠を持って「できません」と伝える。無理を飲み込むと現場が壊れます
- でも壁も作らない……「うちは委託なので」と線を引きすぎると、情報が入ってこなくなります
- 目的は同じだと確認する……立場は違っても、「利用者さんにいい食事を届ける」ゴールは一緒。ここに立ち返ると、たいていの話はまとまります
この距離感を掴めるようになったのは、正直だいぶ後になってからです。若い頃は言われるまま引き受けて、現場を苦しくしたこともありました(厨房の人間関係)。
新人さんへ|明日から使える「関係づくり」のコツ
- とにかく挨拶:名前を覚えて「○○さん、おはようございます」と一歩踏み込む
- 「ありがとうございます」を口グセに:配膳や下げ物を手伝ってもらったら必ず感謝
- 報告・連絡・相談は早めに:体調変化や食事形態の話は気づいた時にすぐ共有
- ミスした時は素直に謝る:隠さず正直に。信頼はそこで決まる
難しいことは何もありません。「挨拶・感謝・早めの共有・素直さ」——この4つだけで、毎日がぐっと働きやすくなりますよ。
まとめ|給食は「料理 × 人間関係」の仕事
最後にまとめると:
- ✅ 給食は多くの職種と連携するチーム戦
- ✅ 情報共有が安全で質の高い食事をつくる
- ✅ トラブル時は日頃の関係が解決のカギ
- ✅ 新人さんは挨拶・感謝・早めの共有・素直さを大切に
給食の仕事は、「おいしい料理を作ること」だけではありません。「人との関係づくり」も、立派な仕事のひとつ。これから給食業界に入る方は、ぜひ意識してみてくださいね。


