「給食の現場にお金の管理なんてあるの?」——実はあるんです。レジも売上金もない給食の厨房ですが、現場で動く現金がちゃんとあって、それを管理するのも大事な仕事のひとつ。
調理も事務も16年やってきたボク(キッチンのりちゃん)が、業界の外ではまず知られていない「給食現場の現金管理」のリアルをお話しします。※金額や事例は架空の一例です。
給食現場のお金って、何に使うの?
- 食材の急な買い足し……納品が足りなかった、急に食数が増えた——そんな時に近くのスーパーへ
- ちょっとした備品……ラップやスポンジなど、切らせない消耗品
- 少額の経費……送料や小さな支払いなど
金額は大きくありませんが、「会社のお金を現場で預かっている」という点では責任重大です。
現金管理の基本ルール
| ルール | ポイント |
|---|---|
| 保管場所を決める | 金庫や手提げ金庫で施錠保管。置きっぱなしは絶対NG |
| レシート・領収書は必ずもらう | 「何に使ったか」を証明できないお金は1円でもダメ |
| その日のうちに記帳 | 現金出納帳に日付・内容・金額をすぐ書く。「あとで」が一番危ない |
| 残高を毎回合わせる | 帳簿の残高と実際の現金を照合。ズレたらその日のうちに解決 |
「1円が合わない」との戦い
現金管理あるあるの筆頭が、帳簿と現金が1円合わない問題(笑)。たった1円でも「まあいいか」にしないのが鉄則です。
- 直近の入出金を1件ずつ遡って確認する
- レシートの金額と記帳の金額を突き合わせる
- 小銭の数え間違いがないか、もう一度数える
1円を軽く見ると、いつか大きなズレも見逃します。「必ず合うまで探す」姿勢そのものが、お金を預かる信頼につながるんです。(この戦いの悲喜こもごもはあるある第3弾でも笑いにしています)
ミスを防ぐ現場の工夫
- 使ったらすぐレシートを定位置へ……ポケットに入れたままが紛失のもと
- 記帳は「その場で・その日で」……記憶に頼らない
- 月末を楽にするのは日々の積み上げ……毎日合わせていれば、締めは怖くない(給食事務の1ヶ月と同じ考え方です)
- ダブルチェック……大きめの支出や締めの照合は、二人の目で
経費の分類もお仕事
使ったお金は「食材費」「備品・消耗品費」など、内容ごとに分類して報告します。この分類が正確だと、原価の計算や会社への報告がスムーズに。原価率の出し方ともつながる、地味だけど大切な土台です。
なぜここまできっちりやるのか
現場の現金は金額こそ小さいですが、会社と施設からの信頼を預かっているのと同じ。1円単位で合わせる几帳面さは、食数管理や衛生管理と同じ「現場の正確さ」の一部だとボクは思っています。
「合わない」ときの探し方——順番が大事
現金が合わないとき、闇雲に数え直しても見つかりません。ボクはこの順番で探します。
- もう一度数える……単純な数え間違いが実は一番多い。落ち着いて2回
- 差額の金額から推測する……「1,000円ちょうど」なら記帳漏れ、「端数」ならレシートの転記ミスの可能性が高い
- レシートと帳簿を1件ずつ突合……日付順に並べて、金額を指差し確認
- 財布・ポケット・引き出しを確認……釣り銭が別の場所に紛れていることが本当にあります
- 直近の買い物担当者に聞く……「これ、レシートもらった?」で解決することも
コツは差額の金額が手がかりになるということ。「なんぼ合わへんのか」を先に把握すると、探す範囲がぐっと狭まります。
そもそも合わなくする原因
16年でよく見てきた「ズレの原因」を挙げておきます。だいたいこの5つです。
- レシートをもらい忘れた……これが圧倒的に多い。自販機やコインパーキングは要注意
- 記帳を後回しにした……「あとで書こう」が命取り。買ったらすぐ書く
- 複数人で財布を触った……誰がいつ使ったか分からなくなる
- 私費と混ざった……自分の財布から立て替えて、精算を忘れるパターン
- 釣り銭の受け取りミス……レジで確認せずポケットに入れると起きます
ミスを減らす、たった2つの習慣
いろいろ書きましたが、突き詰めるとこの2つを守るだけでほぼ防げます。
①「買ったらすぐ書く」
スーパーの駐車場で、車に乗る前に記帳する。この数十秒をケチると、あとで何十分も探すはめになります。
②「財布を触る人を決める」
誰でも触れる状態にしない。担当を決めて、その人以外は必ず一声かける。責任の所在がはっきりすると、不思議とミスが減ります。
疑うためのルールではなく、お互いを守るためのルールです。「あの人が触ったんちゃうか」という空気が生まれるのが、現場にとって一番よくないので。
事務が苦手な人へ——慣れれば5分の作業です
「お金の管理」と聞くと構えてしまいますが、実際の作業はレシートを貼って、金額を書いて、残高を確認するだけです。毎日やれば1日5分もかかりません。
大変なのは溜めたとき。1ヶ月分のレシートを月末にまとめて処理しようとすると、半日仕事になります。ボクも新人の頃に一度やって、心底後悔しました。
調理と両立するコツは、「事務の時間」を決めてしまうこと。ボクは提供が終わった午後の落ち着いた時間に、まとめて片付けるようにしています(給食事務の1ヶ月)。
まとめ
給食現場の現金管理のコツは、「レシート必須」「その日のうちに記帳」「毎回残高を合わせる」「1円のズレも放置しない」。レジのない現場にも、こんなお金のドラマがあるんです。調理も事務もできると、給食の仕事はもっと面白くなりますよ。


