給食の食数管理のExcel術|欠食・追加をミスなくさばく方法【給食事務16年】

キッチンのりちゃんがノートパソコンで食数管理のExcel表を操作する事務イラスト 事務・Excel

「給食の仕事って調理だけでしょ?」と思われがちですが、実は事務もかなり重要です。なかでも毎日欠かせないのが「食数管理」。

今日は何人分を、どの形態で作るのか。これを正確に把握しないと、食材のムダ・不足、原価のズレ、請求ミスにつながります。

この記事では、給食委託会社の正社員として16年、調理と事務の両方をこなしてきた私(キッチンのりちゃん)が、Excelを使った食数管理のリアルを解説します。

名前 キッチンのりちゃん
年齢 38歳・男性
業界歴 16年(給食委託会社 正社員)
担当 3事業所(高齢者施設・保育園など)
業務 調理+事務の両刀

※私は施設に直接雇われた職員ではなく、施設から給食業務を請け負う「委託会社」の社員です。食数の連絡は施設側からいただき、それを正確に反映します。

そもそも「食数管理」とは?

食数管理とは、毎食「何人分を・どの食事形態で」提供するかを正確に数える仕事です。

高齢者施設では、毎日のように人数が変わります。

  • 欠食:外泊・入院・受診などで食事が不要になる
  • 追加:来客対応や補食などで増える
  • 形態の変更:常食からきざみ食へ、など

これを取りこぼすと、「足りない」「作りすぎた」が発生します。1食のズレが、食材費にも請求にも響くので、地味ですが超重要な仕事です。

Excelでの食数管理|基本の形

私はExcelで、「日付 × 食事形態」のマトリクス表を作って管理しています。イメージはこんな形です。

日付 常食 きざみ食 ソフト食 ペースト食 合計
1日 40 8 3 2 53
2日 39 8 3 2 52

※数字はすべて架空の例です。

  • 基本人数を入れておく:毎日ゼロから数えず、前日の人数をベースにする
  • 欠食・追加だけを反映:変動分を足し引きすれば、入力ミスが減る
  • 合計は関数で自動計算=SUM() で横計、縦計を自動に

便利なExcel関数|手作業を減らす

食数管理でよく使う関数を紹介します。難しくありません。

関数 使いどころ
SUM 形態別・日別の合計を自動計算
SUMIF 「常食だけ」「きざみ食だけ」など条件付きで集計
COUNTIF 「欠食」の件数を数える
IF 入力ミスのチェック(例:合計が基本人数と合わないと警告)

「毎月の合計食数」も関数で出しておくと、請求や原価の計算がラクになります(原価率の出し方とも連動します)。

欠食・追加をミスなくさばく3つのコツ

数字を扱う仕事なので、ミスをいかに防ぐかが勝負です。

① 入力ルールを統一する

「欠食は赤、追加は青」など、色や記号のルールを決めておくと、後から見ても分かりやすい。担当者が代わっても引き継げます。

② 締め時間を決める

前日◯時までの連絡分を当日分に反映」とルールを決めておく。締め後の変更は別欄に記録して、トラブルを防ぎます。

③ ダブルチェックする

施設からの欠食連絡と、自分の入力が合っているか必ず照合。とくに継続して食べている方が、急に欠食になっていないかは要注意です(連絡漏れを拾えます)。

食数管理は「発注・原価・請求」の土台

食数が正確だと、その後の事務がすべてスムーズになります。

  • 発注:必要な食材量=食数×1人分。食数がズレると発注もズレる(発注のコツ参照)
  • 原価:食数が分かれば、1食あたりの原価も計算できる
  • 請求:施設への請求は食数がベース。ここが正確でないと信頼を失う

つまり食数管理は、給食事務すべての出発点。だからこそ、Excelで仕組み化して、ミスを減らすことが大切なんです。

食数が変わる「よくあるパターン」

食数管理を難しくしているのは、変動の種類が多いことです。まず何が起きるか知っておくと、備えられます。

  • 入院・退院……当日の朝に決まることも。急な減が一番多いパターン
  • 外泊・外出……ご家族と出かける日。事前に分かることが多いですが、直前変更もあります
  • 体調不良で欠食……当日の朝に判明。朝食は間に合わないこともあります
  • 形態変更……常食から軟菜へ、きざみからミキサーへ。数は同じでも作るものが変わる
  • 職員食の増減……勤務者数によって変わります
  • 新規入所……食数が増える。アレルギーや禁食の確認も必要

特に注意なのが「数は変わらないが中身が変わる」ケース。形態変更を見落とすと、誤嚥事故に直結します。

情報の受け取り方を決めておく

食数のミスは、伝達の段階で起きることがほとんどです。だから受け取り方を固定します。

  • 窓口を一本化する……いろんな人から口頭で言われると必ず漏れます。連絡票や専用ノートに集約
  • 口頭で受けたら必ず書く……その場でメモ。「あとで書こう」が事故のもと
  • 復唱して確認する……「301号室、明日の昼から軟菜ですね」と繰り返す
  • 変更の締め時間を決める……「朝食は前日18時まで」など。ルールがないと際限なく変更が来ます

締め時間を決めるのは冷たいようですが、直前変更を受け続けると必ずミスが出ます。施設側にも事情を説明して、ルールを共有しておくのが結局はお互いのためです(多職種連携のリアル)。

数え間違いを防ぐ盛り付けの工夫

Excelの数字が合っていても、実際に盛る段階で間違えることがあります。現場での対策です。

  • フロアごとにまとめて盛る……ごちゃまぜにせず、配膳車の単位で区切る
  • 数えながら並べる……盛ってから数えるのではなく、並べる時点で数える
  • 形態別に色を変える……札やトレーの色で、遠目にも区別できるように
  • 最後に指差し確認……「常食20、軟菜5、きざみ3」と声に出す。声に出すと間違いに気づきます

Excelの管理と現場の確認は両輪です。どちらかだけでは、必ずどこかで漏れます。

まとめ|食数管理は「仕組み化」でラクになる

給食の食数管理は、

✅ 毎食「何人分を・どの形態で」を正確に数える仕事
✅ Excelで「日付×形態のマトリクス+関数」で仕組み化
✅ 欠食・追加はルール統一・締め時間・ダブルチェックでミス防止
発注・原価・請求の土台になる重要な事務

調理だけでなく、こうした事務もこなせると、現場で一気に頼られる存在になれます。これから給食業界を目指す方、事務に苦手意識がある方も、まずは「変動分だけ反映する」から始めてみてくださいね。

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